症例27:黄斑上膜があるがレンティスMplusX挿入し術後視力良好な症例

患者様の状態・ご要望

1年前から右眼が見えにくいとの訴えで受診されました。

以前から近医で白内障予備軍と言われているとのことでしたが、当院で検査・診察を行った結果、両眼の白内障と右眼の黄斑上膜を認めました。

黄斑上膜についてはこちらをご覧ください。

また、視神経の形から緑内障を疑い視野検査を行いましたが、緑内障を示唆する所見は認めませんでした。

視力データ

検査時期 遠見視力 近見視力
術前 R)0.02(0.8×S-18.50D C-0.75D Ax90°)
L)0.02(0.7×S-16.00D C-3.00D Ax95°)
R)0.02(0.5×S-16.00D C-0.75D Ax90°)
L)0.02(0.6×S-13.50D C-3.00D Ax95°)
術後 R)1.2(1.2×S0.00D C-1.00D Ax165°)
L)1.2(1.2×S+0.50D)
R)1.0(1.2×S+0.25D C-1.00D Ax165°)
L)1.2(n.c.)

手術方針と結果

視力が
右遠見0.02(0.8) 右近見0.02(0.5) 左遠見0.02(0.7) 左近見0.02(0.6)※
【※()の前は裸眼視力、()内は矯正視力です。例)1.0(1.2)=裸眼視力が1.0、眼鏡等を使った最高視力が1.2。】
と低下していたため、白内障と黄斑上膜に対する硝子体・白内障同時手術を検討しましたが、ご本人様は多焦点レンズをご希望されていました。

 

多焦点レンズは遠くも近くも見えて便利な反面、白内障以外の眼の病気がある方には慎重に検討する必要があります。
一般的に黄斑上膜を合併している場合、白内障手術後に見え方がどれくらい改善するかが不明なことがあります。

 

しかし、
・白内障が悪化する前に視力が1.0出ていたこと
・歪視が軽度であること
・1年前と比較して視力やOCTの所見に変化がないこと
・大視症や小視症といった自覚症状もないこと
等を考慮し、今回は白内障手術のみを行い多焦点レンズを挿入する方針としました。

 

まず黄斑上膜のない左眼から白内障手術を行い、多焦点レンズを入れて見え方を確認した後、右眼の治療方針を相談するスケジュールとなります。

 

左眼のレンズ選択についてはご本人様とご相談の上、目のコンディションとご本人様のご要望を考慮し、レンティスMplusXを選択。

 

Lentis MplusXは、ドイツのoculentis社が開発した多焦点眼内レンズです。
プレート型のレンズで全長11mm、その中央に直径6mmの光学部分があります。

この光学部分の上方が球面・非対称の構造をもつ遠用部分、下方が扇状の構造を持つ近用部分となっている、セクター型と呼ばれる多焦点眼内レンズです。遠用部と近用部に境目がないため光のロスが少なく、他の多焦点レンズに比べてコントラスト感度が低下しにくいといった特徴があります。

また、他の多焦点レンズと比べてハローやグレアも生じにくくなっています。

 

左眼手術後、視力は
左遠見1.2(1.2) 左近見1.2(1.2)※
と良好。ご本人様も「とてもよく見える」と仰り、右眼にも同じレンティスをご希望されました。

 

右眼手術後、視力は
右遠見1.2(1.2) 右近見1.0(1.2)※
心配していた黄斑上膜も見え方にはあまり影響せず、ご本人様は右眼も左眼もよく見えると仰っていました。

 

 

今後も定期検診を行い、視力低下や自覚症状の悪化があれば黄斑上膜に対する硝子体手術を検討しようと考えています。

黄斑上膜がある方に自由診療のレンズを挿入し、術後視力良好な症例としてご紹介させていただきます。

 

※こちらの内容は参考情報としてご覧ください。すべての方に同様の効果が期待できるわけではなく、患者様ごとに状況は異なります。また手術にはリスクも伴います。詳細につきましては診察の際に医師とご相談ください。

術前・術後比較

術前スリット

右眼
右眼
左眼
左眼

術後スリット

右眼
右眼
左眼
左眼