症例6:薄暗い場所で手元を見る機会が多い方に両眼Lentis MplusX30を選択した症例

患者様の状態・ご要望

使用レンズ:両眼Lentis MplusX30

手術眼:両眼

ピントが合いにくく、手元も遠くも見えにくい、眼が疲れるとの訴えで初診。お仕事上、薄暗いところでメーターの検針をする、その際に眼鏡は使用しづらいとお話されていました。

まずは遠近両用コンタクトレンズをお勧めして、しばらく様子を見ていただくこととしました。その後もドライアイで定期的に受診され経過を見ていましたが、10年後、どうしても遠近両用コンタクトレンズでは見えづらさがあるとのこと。お知り合いの方から多焦点眼内レンズの話を聞いたとのことで、再度ご相談いただきました。

以前と比べると遠視も徐々に進行しており、白内障の進行も認めました。かつ、ドライアイとコンタクトレンズ使用による充血もひどくなってきていました。

その際の視力は右遠見0.4(1.2)右近見0.2(1.2)左遠見0.8(1.2)左近見0.2(1.2)【※()の前は裸眼視力、()内は矯正視力です。例)1.0(1.2)=裸眼視力が1.0、眼鏡等を使った最高視力が1.2。】。また、度数は右眼が+2.25D、左眼が+2.75Dの遠視でした。

視力データ

検査時期 遠見視力 近見視力
術前 R)0.4(1.2×S+2.25D)
L)0.8(1.2×S+2.75 C-0.75 Ax120°)
R)0.2(1.2×S+4.50)
L)0.2(1.2×S+5.00 C-0.75 Ax120°)
術後 R)1.2(n.c.)
L)1.2(n.c.)
R)1.2(n.c.)
L)1.2(n.c.)

手術方針と結果

ご本人様とご相談の上、両眼の白内障手術を行い多焦点眼内レンズを挿入する方針といたしました。

多焦点レンズにはいくつもの種類があります。この方はお仕事上、暗いところで近くを見ると伺っていたため、回折型の多焦点レンズは避け、屈折型のレンティスをお勧めしました。

Lentis MplusXは、ドイツのoculentis社が開発した多焦点眼内レンズです。プレート型のレンズで全長11mm、その中央に直径6mmの光学部分があります。この光学部分の上方が球面・非対称の構造をもつ遠用部分、下方が扇状の構造を持つ近用部分となっている、セクター型と呼ばれる多焦点眼内レンズです。遠用部と近用部に境目がないため光のロスが少なく、他の多焦点レンズに比べてコントラスト感度が低下しにくいといった特徴があります。

また、他の多焦点レンズと比べてハローやグレアも生じにくくなっています。

レンティスの中でも遠くが強いレンズや近くが強いレンズなど、いくつかの種類があります。この患者様の場合は、まず右眼に、レンティスシリーズで最も近くが強いLentis Mplus X 30 を入れ、術後経過を確認してから左眼のレンズを決定するという方針としました。

というのも、Lentis Mplus X 30 は近方の見え方を重視する方にお勧めできる一方で、遠くの見え方に若干の不足感を覚える方もいらっしゃるためです。

当院では、片眼にLentis Mplus X 30を入れて遠くの見え方が物足りないと感じた方には、反対の眼には遠方~中間重視タイプのレンズを選択し、遠くの見え方を補うという方針をとる場合があります。(二段階挿入、ミックス&マッチ)

この方は、右眼術後に手元はよく見えるが、遠くの信号などはにじむ、若干ダブることが気になると仰っていました。そこで左眼はLentis Mplus X 30を回転させて入れることで同じ見え方をカバーすることを試みました。

両眼手術後の視力は右遠見1.2(1.2)右近見1.2(1.2)左遠見1.2(1.2)左近見1.2(1.2)。ご本人様のご自覚的にも、手元の文字やパソコンもよく見える、バイクにも支障なく乗れる、生活しやすくなったと仰っていました。ダブりも改善したとのことです。

※こちらの内容は参考情報としてご覧ください。すべての方に同様の効果が期待できるわけではなく、患者様ごとに状況は異なります。また手術にはリスクも伴います。詳細につきましては診察の際に医師とご相談ください。

術前・術後比較