症例4:両眼にミニウェルレディを挿入し、術後の近視化に対しタッチアップを行った症例
患者様の状態・ご要望
使用レンズ:両眼ミニウェル
手術眼:両眼
70代、建築会社にお勤めの方です。かすんで文字が読みづらいとのことで、白内障手術ご希望で当院を受診されました。
初診時視力は右遠見0.2(0.4)左遠見0.5(0.7)【※()の前は裸眼視力、()内は矯正視力です。例)1.0(1.2)=裸眼視力が 1.0、眼鏡 等を使った最高視力が 1.2。】両眼とも白内障が進行し、視力が低下していました。
建築会社にお勤めの方で、お仕事上、遠くも手元もよく見る、毎日ミリ単位でのお仕事をされているとのお話でした。
事前にご自身でもリサーチされていて、ご本人様からミニウェル希望とお申し出になりました。
視力データ
| 検査時期 | 遠見視力 | 近見視力 |
|---|---|---|
| 術前 | R)0.2(0.4×S+1.0D) L)0.5(0.7×S+1.50D C-2.50D Ax100°) |
近見視力検査結果なし |
| 術後 | R)1.0(1.0×S+0.50D C-1.25D Ax85°) L)1.2(1.2×S+0.50D C-1.00D Ax85°) |
R)0.6(1.0×S+1.50D C-1.25D Ax85°) L)0.7(1.0×S+2.00D C-1.00D Ax85°) |
手術方針と結果
ミニウェルはイタリアのSIFI MedTech社が販売する多焦点眼内レンズです。
焦点拡張型の多焦点眼内レンズで、レンズ上に3層の同心円状の構造を設けることで、遠方から中間距離にかけてスムーズに見ることができます。
また球面収差を利用した構造で、光の輪や光のにじみといったハロー・グレア症状が出にくいという特長があります。特に夜間の運転時には、他の多焦点眼内レンズよりもすっきりして見やすいと考えられます。
ミニウェルでは近くは見えないため老眼鏡をかける必要があること、またクリアさを重視するのであれば単焦点には及ばないことをご説明し、ご了承の上で、ミニウェルを挿入することとなりました。
この方が手術を受けた2019年当時、ミニウェルは「ミニウェル レディ」というレンズ1種類だけでした。しかし2025年現在は、「ミニウェル プロクサ」というレンズも登場しています。
これら2つのレンズの違いですが、「ミニウェル レディ」は遠くから中間を得意とする一方、「ミニウェル プロクサ」は、より近方が見えるという特長があります。これらのレンズは2種で1セットとなっており、組み合わせて使うことでそれぞれの強みを生かしながら、遠くから近くまで良好な見え方を実現できるとされています。(ウェルフュージョンシステム)
術後視力は右遠見1.0(1.0)右近見0.6(1.0)左遠見1.2(1.2)左近見0.7(1.0)
手術直後は、明るくなった、すっきりした、近くよりも遠くのほうが見やすいとおっしゃっていました。
しかし1年後、徐々に近くは見えるものの遠くが見えにくくなってきたとのことで、若干の度数変化を認めました。
裸眼での見え方を改善したいとの強いご希望があったため、レーシックでの度数補正(タッチアップ)を行い、視力が改善しました。