症例20:高眼圧症で、将来の緑内障を考慮しシンフォニーを選択した症例

患者様の状態・ご要望

使用レンズ:右眼:シンフォニー(選定療養)

手術眼:右眼

もともと高眼圧症の定期検診で通院されていた方です。
高眼圧症とは、高めの眼圧が続いている状態です。
眼圧が高いことで視神経が傷んで視野が欠けると緑内障という病気ですが、視神経や視野に異常が出ていない状態だと「高眼圧症」となります。
正常値より少々高いくらいであれば問題ありませんが、高すぎる場合は将来的に緑内障になる恐れがあります。
この患者様の場合は、眼圧を下げる点眼を処方し、定期的に経過観察していました。

定期検診中に白内障の進行を認め、手術についてお話したところ、右眼の見えにくさのご自覚もあり、右眼白内障手術をご希望されました。

手術前検査の視力は 右遠見0.2(0.5) 右近見0.2(0.4) ※
【※()の前は裸眼視力、()内は矯正視力です。例)1.0(1.2)=裸眼視力が1.0、眼鏡等を使った最高視力が1.2。】
またコントラスト感度も、かなり低下していました。

多焦点レンズをご希望され、ライフスタイルについて詳しくお伺いしたところ、
・お仕事でパソコンを使う
・ゴルフが趣味
・近くの見え方はあまり重視していない
・老眼鏡の併用は構わない
とのことでした。

また、この患者様の場合は高眼圧症であることも考慮する必要がありました。高眼圧症の方は、将来的に緑内障になる可能性も否定できません。
もし緑内障が進行すると、感度が落ちて見えづらくなります。一般的に多焦点レンズは単焦点レンズよりもコントラスト感度が落ちる傾向があります。そのため、緑内障の方に多焦点レンズを挿入すると、より感度が下がって不利になる恐れがあります。

視力データ

検査時期 遠見視力 近見視力
術前 R)0.2(0.5×S-3.00D C-1.50D Ax90°) R)0.2(0.4×S±0.00D C-1.50D Ax90°)
術後 R)1.2(n.c.) R)0.7(1.0×S+1.50D C-0.75D Ax180°)

手術方針と結果

それらのことを総合的に考えた結果、選定療養の多焦点レンズであるシンフォニーをご提案しました。
シンフォニーは2017年6月にJohnson&Johnson社から発売された焦点拡張型(EDoF)のレンズで、遠方から中間距離にかけて連続的に見やすいという特長があります。
近方が見える多焦点レンズに比べて入れた後の違和感が出にくく、また多焦点レンズの中ではコントラスト感度が落ちにくい種類です。
(※2025年10月現在、販売を終了しています)

右眼にシンフォニーを挿入する白内障手術を行い、手術後の視力は
右遠見1.2(1.2) 右近見0.7(1.0)
と良好な改善を認めました。

」手術後、見え方が良い、術前と大分違う、遠くはよく見えるとのこと。シンフォニーは遠方から中間距離にかけてピントが合うレンズですが、近くも裸眼で多少は見えるとのこと。老眼鏡をかければ支障なく見えると仰っていました。

術前・術後比較