症例15:単焦点レンズ(硝子体手術後)と多焦点パンオプティクスのミックス&マッチで違和感が出なかった症例

患者様の状態・ご要望

使用レンズ:右眼:パンオプティクス / 左眼:単焦点レンズ

手術眼:両眼

左眼がかすむ、左眼のみで見ると右眼と比べて茶色がかって見える、暗いという主訴で初診。

両眼の白内障と、左眼の黄斑上膜を認めました。
黄斑上膜についてはこちらをご覧ください

この時点では、遠見矯正視力が右(1.2)、左(1.0)と良好でしたので、経過をみることとしました。

その後、徐々に視力が低下し、左眼の矯正視力が0.8となりました。

初診時と1年後再来時を比較すると、黄斑上膜による黄斑部浮腫の増悪がみられます。

歪視の増悪など自覚症状も悪化したため、左眼は硝子体・白内障同時手術を行うこととしました。

眼内レンズについては、もともと近視の方でしたが、ご本人様が近視をとって遠くが見えるようにしたいというご希望だったため、単焦点レンズで遠方狙いとしました。

手術は問題なく終了し、術後経過は良好。

視力は左遠見0.04(0.8)→0.9(1.2)と改善。歪みは残っているものの手術前より軽減したとのこと。

左眼が見えやすくなった分、右眼のかすみが気になるとの訴えがあり、右白内障手術予定としました。

視力データ

検査時期 遠見視力 近見視力
術前 R)0.06(1.2×S-5.00 C-0.75 Ax80°)
L)0.04(0.8×S-5.00 C-1.50 Ax100°)
R)0.15(1.0×S-3.25 C-0.75 Ax80°)
L)0.1(0.7×S-2.50 C-1.50 Ax100°)
術後 R)1.2(1.2×S-0.25)
L)0.9(1.2×S-0.50)
R)1.0(n.c.)
L)0.5(0.9×S+2.00)

手術方針と結果

左眼は単焦点レンズで遠方狙いとしたため近くが見えずに不便、少しでも裸眼で近くが見えたいとのことで、右眼は多焦点レンズをご希望。

生活のスタイルについて詳しく伺うと、お仕事でパソコン作業が多い。左眼で遠方はよく見えるが、パソコン作業がしんどいとのこと。

片眼が単焦点レンズなので、もう片眼に多焦点レンズを入れても近くがそれほど見えるようになるわけではないことを説明し、ご本人様も了承。

右眼は選定療養の多焦点レンズ、パンオプティクスをご希望されました。

術後、右眼の遠見裸眼視力は1.2、近見裸眼視力も1.0と良好でした。

左眼は単焦点レンズで遠方重視のため、近方視力には限界があります。

手術後の検診でご本人様にお伺いしたところ、結果的に遠くも近くも見えて便利だが、細かい文字は近く用の眼鏡を使用しているとのこと。左眼が遠方狙いの単焦点レンズで、手元は右のみで見ているためでしょう。やはり多焦点レンズは両眼に入れたほうが近くが見やすくなります。

ご本人様は概ね満足で、左眼が単焦点、右眼が多焦点でも、両眼で見たときに左右差や違和感はないと仰っていました。

※こちらの内容は参考情報としてご覧ください。すべての方に同様の効果が期待できるわけではなく、患者様ごとに状況は異なります。また手術にはリスクも伴います。詳細につきましては診察の際に医師とご相談ください。

術前・術後比較