多焦点レンズ(ファインビジョンHP、vivinex gemetric、アクリバトリノバ)のご紹介
望月眼科 浄水通り院では、新しい眼内レンズも積極的に導入しています。
今回は、選定療養の多焦点レンズ3種類(ファインビジョンHP、vivinex gemetric、アクリバトリノバ)をご紹介いたします。
(選定療養について詳しくはこちらをご覧ください)
ファインビジョンHPは、世界で初めて3焦点レンズを発売したBVI社による多焦点眼内レンズです。遠く・中間・近くという3つの距離にピントが合うのが特徴で、ヨーロッパを中心に広く使われています。2023年5月から日本でも選定療養の対象となりました。
主な特徴
・CoPODizeテクノロジーという独自技術により、瞳孔の動きに応じて自然な見え方に最適化するように設計されている。
・特に近く(約35cm)を見る力に重点を置いて設計されている。選定療養対象のレンズの中では近くの見え方はトップクラス。
・夜間のハロー(光の輪)やグレア(にじみ)を抑える特許取得の回折設計。
・レンズを固定する4本のループに加え、疎水性素材を使用することで、レンズの安定性が高く、ずれにくい。
vivinex gemetric(HOYA社)
vivinex gemetricは日本の医療機器メーカーHOYAが開発した、非球面・回折型3焦点型眼内レンズです。
遠くが強いGemetricと、中間~近くが強いGemetric Plusがあります。
両眼にGemetricを入れる、またはペアリングする(片眼にGemetric、反対の眼にGemetric Plusを入れる)ことができ、よりお一人お一人のご要望に応じた見え方に近づけることができます。
主な特徴
・左右で違うレンズを組み合わせることが可能。(ペアリング)
・長期安定性に実績のある眼内レンズ素材。(Vivinex素材)
・5つの乱視用眼内レンズを準備し、軽度乱視にも対応可能。
・眼内レンズおよびインジェクター共に日本企業 HOYA社製。
・3.2mmの小径回折ゾーンで夜間や暗所での光のにじみを抑える。
アクリバトリノバ(VSY社)
アクリバトリノバは、オランダのVSY Biotechnology社が製造する多焦点眼内レンズで、2017年10月にヨーロッパCEマークを取得し販売開始されました。
遠くはもちろん、中間と近方の度数、さらにEDOF(焦点深度拡張)機能も備え、遠方・中間・近方がスムーズに見えるよう設計されています。
主な特徴
・光の効率が非常に高く(92%)、明るく見える。
・瞳孔の大きさに関わらず、明るい場所でも暗い場所でも見えやすい。
・光学部の設計(エッジがシャープでない同心円状のパターン)により、ハロ(光の輪状散乱)、グレア(光のにじみ)が少ない構造。
・色のにじみ(色収差)が少なく、シャープに見える。
・乱視矯正タイプもある。