多焦点眼内レンズ

多焦点眼内レンズ

多焦点眼内レンズは
こんな方に
おすすめです

多焦点眼内レンズとは

白内障手術では、濁った水晶体を取り除き、代わりに人工の眼内レンズを入れます。
健康保険を使った診療では、単焦点眼内レンズを入れます。単焦点眼内レンズでは、理論上、遠くまたは近くなど一点でしかピントが合いません。その他の場所を見るときには眼鏡が必要です。
眼鏡をかけたり外したりするのが煩わしい方は、多焦点レンズを入れることもできます。
多焦点レンズでは遠くから近くにかけてピントが合うため、眼鏡をかけたり外したりする手間を少なくできます。

単焦点眼内レンズの場合

保険診療

多焦点眼内レンズの場合

自由診療・選定療養

浄水通り院が多焦点レンズで
選ばれる理由

専門性の高い経験と知識

手術を担当する院長は10年以上にわたって多焦点眼内レンズを用いた白内障手術に携わり、ノウハウを蓄積してきました。
多焦点レンズが使用され始めた当初は、waxy vision(薄い膜がかかったような見え方、全体的にぼやっとして、くっきり見えない現象)やコントラスト感度の低下(くっきり感や鮮やかさが落ちること)の報告が多くありました。
しかし、眼内レンズの進化と品質の改良により、現在ではこのような症状を訴える方は減少しています。多焦点導入初期でみられた、こういった症例にも一つ一つ大切に向き合う中で、今では患者様ひとりひとりに対する適応が徐々に見極められるようになっております。
度数(近視、遠視)、乱視、年齢、瞳孔の大きさ、眼疾患の有無とその程度等によって、提案するレンズの種類は異なります。その方に適した提案をするためには、専門性の高い経験と知識が必要です。

正確さを追求した検査体制

望月眼科では、手術で良好な結果を得るために、手術前には複数回の検査を行います。 またARGOS®(光学式眼軸長測定器)やCASIA2などの先端の検査機器も活用し、患者様ひとりひとりの眼のデータを正確に集めて手術に臨みます。
例えば、角膜不正乱視の検出には角膜形状解析装置(CASIA2)が非常に有用で、必須の検査機器と認識しています。 また、複数の検査機器を使用し、検査も複数回行うことによって、術後の度数(見え方)の誤差を最小限にするよう努めています。

最適な多焦点レンズを
ご案内できること

患者様がどんな見え方を望まれているのかは、結局のところ、ご本人様と時間をかけてお話をしないとわかりません。 当院では、詳細な検査データをもとに、手術を担当する院長自身が患者様としっかりお話をすることにこだわっています。 お若いときから現在までの見え方や、お仕事やご趣味などのライフスタイル、ご性格なども考慮し、最適と考える多焦点レンズをご提案させていただきます。

多焦点眼内レンズの主な種類

焦点拡張型(EDOF)

遠くから中間距離にかけて連続的にピントが合います。近く(新聞、読書、スマートフォンなど)を見るには老眼鏡が必要な場合があります。イメージとしては、もともと遠くが見えていた方の老眼が出始めた頃のような見え方です。他の種類の多焦点レンズに比べて、ピントがどこにも合わないなどのデメリットが出にくく、遠•中に適したレンズです。

対応製品 シンフォニー、ミニウェル

3焦点

遠・中・近の3か所にピントが合います。比較的、近くの見え方を優先したい方にお勧めしています。中間距離(50~200cmくらい)の見え方はやや落ちる場合がありますが、全距離型で大きな欠点が少ないレンズです。

対応製品 クラレオンパンオプティクス、ファインビジョン

5焦点

遠・遠くよりの中・中・近くよりの中・近の5か所にピントが合います。選定療養対象のレンズには5焦点のものがないため、自由診療となります。

対応製品 インテンシティ

2焦点分節型(レンティスシリーズ)

1枚のレンズの上方で遠くをみて、下方で近くから中間をみる設計のレンズです。回折型(レンズに同心円状の溝を作り遠くや近くにピントが合うようにする多焦点レンズ)と異なり、レンズの境目が1か所のため、光エネルギーロスが少なくコントラストが良好、ハロー・グレア現象(光の輪や光のぼやけが見える現象)も少なく見え方がきれいとされています。

乱視矯正を伴う場合はオーダーメイド制です。近くの見え方を重視される方にお勧めしています。

対応製品 レンティスMplus、MplusX

多焦点レンズのラインナップ

多焦点レンズのラインナップ一覧

各多焦点レンズの特徴

シンフォニー

シンフォニーの画像

乱視矯正:○
近見の焦点距離:約50~70cm

選定療養

エイエムオー・ジャパン株式会社から2017年6月に発売された多焦点眼内レンズです。
このシンフォニーは焦点拡張型(Extended Depth of Focus:EDoF)というタイプの多焦点眼内レンズです。
従来の回折型の多焦点眼内レンズの技術に加え、独自のエシェレット解析構造を搭載することで焦点深度を拡張させています。
そのため、遠くから中間までの距離を見るときに、より自然で鮮明な見え方を提供できるのが特徴です。
新聞など近くを見るときは老眼鏡をかけたほうが見やすいと感じるかもしれませんが、そのぶんグレア、ハローなどが抑制されています。また、従来の多焦点レンズと比較して暗い場所でも見え方が落ちにくく、色の濃淡もわかりやすいなどのメリットがあります。
また、このシンフォニーという多焦点眼内レンズは疎水性アクリル素材で作られており、グリスニング・ホワイトニング等のトラブルが生じにくく、長期にわたって高い透明性を維持しているとも報告されています。

クラレオン
パンオプティクス

クラレオン パンオプティクスの画像

乱視矯正:○
焦点距離:約40〜80cm

選定療養

Alcon社(アメリカ)から発売された3焦点眼内レンズです。以前より日本でも正式に承認され使用されていたPan Optixレンズの長所を踏まえつつ、さらに新素材を採用して長期的透明性を実現しています。
2022年4月より一般販売開始されました。
このクラレオンパンオプティクスではENLIGHTENテクノロジーを使用し、遠くの視力を犠牲にすることなく近方から中間(40〜80cm)に連続してピントが合う構造を実現。従来の多焦点レンズよりも眼鏡を使う頻度を少なくすることができるのが強みです。
さらに瞳孔径3.0mmという状況下でも光エネルギー利用率は88%と高い水準を維持。どの距離を見る際にも良好なコントラスト感度で鮮明な視覚の質を提供できます。
またレンズには瞳孔径の依存が少ない4.5mm回折ゾーンを採用しており、薄暗い場所でも見え方に影響がでにくい構造となっています。
乱視用のレンズの場合は軸が回転しにくいデザインを採用しているため、質の高い乱視矯正を実現しています。
このように従来より快適な見え方を提供できるため、例えば毎朝新聞を読んで情報収集し、日中はパソコンで仕事、休日にはスポーツや旅行を楽しむようなアクティブな方にもお勧めできる多焦点レンズです。

ミニウェル

ミニウェルの画像

(※)
乱視矯正:○
近見の焦点距離:約60~70cm

自由診療

イタリアのSIFI MedTech社が販売する多焦点眼内レンズです。
レンズ上に3層の同心円状の構造を設けることで、遠方から近方までスムーズに見ることができます。
ミニウェルには2種類あり、遠くから中間が得意なMini WELLと、より近方が見えるMini WELL PROXAというレンズがあります。
片眼にMini WELL、反対の眼にMini WELL PROXAを入れることで、遠くから近くまでより見えやすく、眼鏡を使う頻度を減らせる設計になっています。
また球面収差を利用した構造で、ハローやグレアを抑えたクリアな視界を提供できるのもミニウェルの特長です。
特に夜間の運転時には、他の多焦点眼内レンズよりもすっきりして見やすく感じられるとされています。

ファインビジョン

ファインビジョンの画像

(※)
乱視矯正:○
近見の焦点距離:約30cm

自由診療

BVI社(アメリカ)製の3焦点眼内レンズ(トリフォーカルレンズ)です。
遠方と近方はもちろん、中間距離にもピントが合うように設計されています。

このファインビジョンは3焦点型の多焦点レンズで、アポタイズド回折とバイフォーカル(2重焦点)というふたつの技術が組み合わされています。
どのような状況下でも瞳孔の動きにあわせて光の入り方が自然と最適化されまるように設計されており、焦点を3か所と増やしても光エネルギーのロスを抑えることができます。
遠方、近方そして中間距離のいずれを見るときにもベストな視力を出すことができるので、いままで眼鏡をかけることがあまりなく、眼鏡をかけたり外したりするのが煩わしいという方に向いているでしょう。

レンティス

レンティスの画像

(※)
乱視矯正:○
近見の焦点距離:約30~50cm

自由診療

ドイツのoculentis社が開発した多焦点眼内レンズです。
完全オーダーメイド製で、手術を受ける方の度数に合わせて0.01D単位での調整が可能です。強い乱視にも対応しています。
レンズはプレート型で全長11mm、その中央に直径6mmの光学部分があります。
この光学部分の上方が球面・非対称の構造をもつ遠用部分、下方が扇状の構造を持つ近用部分となっている、セクター型と呼ばれる多焦点眼内レンズです。遠用部と近用部に境目がないため光のロスが少なく、他の多焦点レンズに比べてコントラスト感度が低下しにくいといった特徴があります。
また、他の多焦点レンズと比べてハローやグレアも生じにくくなっています。

レンティスシリーズにはいくつもの種類があり、遠方の見え方が得意なもの、遠方と近方の見え方が比較的得意なもの、遠方はまあまあだが中間や近方の見え方が得意なものなど、幅広いラインナップが揃っています。
レンティスをご希望される場合は、その患者さんの眼の状態を考慮したアドバイスはもちろん、ライフスタイルや見え方のご要望なども聞き取りながら、最も適したレンズを医師がご提案させていただきます。

Intensity

Intensityの画像

(※)
乱視矯正:〇
近見の焦点距離:40cm

自由診療

イスラエルのHanita Lenses社が製造する5焦点眼内レンズです。
特許のアルゴリズムによるDLU(Dynamic Light Utilization)を採用。従来の回折型2焦点や3焦点眼内レンズでは使用できなかった部分を使用可能とした独自のテクノロジーで、12本のなめらかな回折による5焦点を実現。ハロー、グレアも最小限に抑えられています。
遠方、遠中、中間、近中、近方と広い範囲にピントが合う設計となっており、途中で視力が落ち込むことなく、遠方から手元40cmの距離までスムーズで連続した見え方を実現。
また光効率を最大化し、瞳孔径ごとの光エネルギー配分も最適化しているため、コントラストが高く明るい見え方となり、暗い場所でも近くが見えやすいでしょう。
近くは40cmの距離にピントが合う設計のため、細かい文字を読んだりスマートフォンを使う場合は老眼鏡をかけたほうが見やすいかもしれません。

クラレオン ビビティ

クラレオン ビビティの画像

乱視矯正:なし
近見の焦点距離:約50~70cm(焦点深度拡張)
近見の焦点距離:約40〜80cm

選定療養

Alcon社が販売する焦点深度拡張型レンズです。
日本では2023年に厚生省の認可を得ましたが、アメリカでは2020年から販売・使用されています。
また、X-WAVEテクノロジーという独自技術を用いた設計で、光学的ロスがほとんどない構造を実現。
遠方から中間距離の見え方を連続的に改善することができるため、他の多焦点レンズよりも自然な見え方に近い生活が期待できます。
遠く(標識、信号、テレビなど)や中間距離(車のメーターやナビ、パソコン画面、調理中の手元など)、さらに近方(レストランのメニューなど)も、ある程度は裸眼で見ることができると言われています。(新聞や本、スマートフォンなどの細かい文字を読む際は眼鏡が必要です)
コントラスト感度も単焦点レンズと同等程度と言われており、くっきりとした見え方が期待できます。
ハロー、グレアも最小限に抑えられているため、夜間の光のぎらつきなども少なく、夜間の運転をされる方などにも便利なレンズといえるでしょう。

ギャラクシー

ギャラクシーの画像

乱視矯正:あり
近見の焦点距離:約40cm

自由診療

RayOne社が開発した「ギャラクシー(Galaxy)」は、世界で初めてスパイラル構造を採用した多焦点眼内レンズです。このレンズはAIを活用して設計されており、光学的ロスを抑える独自の技術で、遠方から近方までスムーズで自然な視界を目指します。
スパイラル光学部を搭載したギャラクシーは、遠方から近方までの視力を補正する設計が特徴です。臨床データによれば、+0.5~-2.5Dの範囲で安定した視力が得られ、幅広い距離で視覚的なサポートが期待されています。また、ハローやグレアが少ないことが確認されており、夜間の見え方にも配慮されています。
さらに、乱視用のトーリックレンズもあり、角膜乱視を矯正することで、患者さんそれぞれの視力の改善に対応できます。「アンチボールティングテクノロジー」を用いた安定性に優れたデザインにより、術後の眼内レンズの偏位や回転が最小限に抑えられると報告されています。

オデッセイ

オデッセイの画像

乱視矯正:あり
近見の焦点距離:約40cm

選定療養

TECNIS Odysseyは、Johnson & Johnson社が開発した多焦点眼内レンズ(IOL)です。海外では"Full Visual Range IOL"に分類される、新しい連続焦点眼内レンズです。
このレンズは、FreeformテクノロジーとHigh resolutionレースカットという技術を利用し製造されています。レンズの表面を精密に設計することで、遠方から近方まで連続的範囲で視力を維持します。中間でも視力の落ち込みが少なく、自然な見え方が期待されます。術後1か月のデータで、92%以上の患者が眼鏡不要という報告があります。
また残余屈折の誤差にも高い耐性を持ち、狙った度数からズレて誤差が生じてしまった場合も視力には影響が出にくいというデータが出ています。
さらに、TECNIS Odysseyは夜間光視症(グレア・ハロー)の発生を軽減、コントラスト感度も低下しにくく、薄暗い環境でもクリアな視界を期待できます。

多焦点眼内レンズの費用

多焦点レンズには選定療養対象のものや自由診療のものがあります。

各多焦点レンズの費用

すべて片眼、税込価格

選定療養

レンズの名称 乱視なし 乱視用
シンフォニー 230,000円 255,000円
クラレオンビビティ 330,000円
クラレオンパンオプティクス 351,000円 381,000円
オデッセイ 406,000円 436,000円

自由診療

レンズの名称 乱視なし 乱視用
ミニウェル 660,000円 715,000円
レンティス(M plus X) 660,000円 715,000円
ファインビジョン 660,000円 715,000円
ギャラクシー 737,000円 792,000円
インテンシティ 759,000円 814,000円

選定療養とは

選定療養とは、追加費用を負担することで保険適用外の治療を、保険適用の治療と併せて受けることができる医療制度です。手術費用には保険が使え、レンズ代は追加の自己負担が発生します。

多焦点レンズのラインナップ一覧

自由診療とは

自由診療とは、保険適応外の診療のため、術前検査や手術、術後検診まで含めてすべて自己負担となる診療です。

症例紹介

両眼に異なる多焦点レンズを選択した症例(Mix & Match)

60代/コンタクトレンズをできるだけ使用したくないご希望

使用レンズ:右クラレオンビビティ 左クラレオンパンオプティクス

視力データ

術前視力
遠見 R)0.1(1.0×S-5.00 C-1.50 Ax5°)
L)0.1(0.9×S-6.00 C-0.50 Ax90°)
近見 R)0.5(0.8×S-2.50 C-1.50 Ax5°)
L)0.4(0.9×S-4.50 C-0.50 Ax90°)
術後視力
遠見 R)1.2×n.c.
L)1.2(better×S+0.50)
近見 R)0.9(1.0×S+1.50)
L)0.8(1.0×S+1.00)

患者様の状態・ご要望

両眼のかすみを訴えて受診され、白内障を認めた方です。20代の頃からハードコンタクトレンズを使用されており、受診時も遠近両用コンタクトを装用。白内障手術後もできるだけ眼鏡を使わずに近くも遠くも見たいとのことで、多焦点レンズをご希望されました。

治療方針

この患者様は、現時点では緑内障の視野変化は認めませんでしたが、視神経の状態などから将来的に緑内障性変化を考慮しレンズを選択しました。

多焦点レンズは便利なレンズですが、コントラスト感度はやや低下する難点があります。緑内障が進行した場合、多焦点レンズを入れていることで更にコントラストが低下する恐れがあります。しかし、この患者様は、現時点で視野変化がなく、緑内障でないならばという理由で多焦点レンズをご希望されました。そこで、選定療養多焦点レンズの中では単焦点に次いでコントラスト感度が高く、鮮明さが落ちにくいビビティを選択しました。

また、この患者様は読書やスマホも眼鏡なしで行いたいとご希望されており、ビビティをそのまま入れると手元が少し弱いと感じる可能性がありました。そこでビビティを通常よりも1段階だけ近くよりに(デフォーカス)して、右眼に挿入することにしました。

使用した眼内レンズ① ビビティ

ビビティは、焦点深度拡張型の多焦点レンズです。

  • 日本では2023年に厚生省の認可を得ましたが、アメリカでは2020年から販売・使用されています。
  • X-WAVEテクノロジーという独自技術を用いた波面制御型のレンズで、光学的ロスがほとんどなく、遠方から中間距離の見え方を連続的に改善することができるため、他の多焦点レンズよりも自然な見え方に近い生活が期待できます。
  • 他の多焦点レンズと比較してコントラスト感度も落ちにくく、くっきりとした見え方が期待できます。

デメリットとしては、2024年時点で乱視対応レンズがないことと、近くの細かなもの(新聞や本、スマートフォンなど)を見るときには眼鏡が必要な可能性があることが挙げられます。

使用した眼内レンズ② クラレオンパンオプティクス

右眼手術後、よく見えるものの、もう少し手元が見えたほうが良いとのことでしたので、左眼にはクラレオンパンオプティクスを選択しました。

クラレオンパンオプティクスは、遠くはもちろん、近方から中間(40〜80cm)に連続してピントが合う3焦点眼内レンズです。

  • 瞳孔径3.0mmでも光エネルギー利用率は88%と高く、どの距離を見る際にもコントラスト感度が良好で鮮明な見え方が期待できるといわれています。

術前スリット

術前の眼の状態

術後スリット

術前の眼の状態

考察

両眼の手術を終えた後、それぞれの眼の見え方を比べていただいた結果:

  • 遠く:クラレオンパンオプティクスを入れた左眼のほうが見えやすい
  • 近く:ビビティを入れた右眼のほうが見えやすい

一般的にビビティは近くが苦手な多焦点レンズですが、1段階だけ近くよりに(デフォーカス)して入れることで、結果的にクラレオンパンオプティクスよりも近くが見えやすくなった可能性はあります。

※なお、全ての症例でこのような結果が出るとは限りません。

画家の方への多焦点眼内レンズ治療

70代 / 職業:画家

使用レンズ:右クラレオンパンオプティクス 左クラレオンパンオプティクス

視力データ

術前視力
遠方 R)0.3(1.2×S-0.50 -2.50 Ax100°)
L)0.08(0.1×S-3.50 -0.50 Ax60°)
近方 R)1.0(1.2×S+1.50 -2.50 Ax100°)
L)0.1(n.c.)
術後視力
遠方 R)1.2(1.2× C-0.50 Ax160°)
L)1.0(1.2×S-0.50)
近方 R)0.9(1.0× C-0.50 Ax160°)
L)0.8(1.0×S+0.50 C-0.75 Ax80°)

患者様の状態・ご要望

70代、画家として活動されている方です。内科で糖尿病を指摘され、眼底検査を受けるように指示されたとのことで当院を受診されました。その後、夜になると見えにくい、左眼がかすむとの訴えで再来され、左眼の白内障手術をご希望されました。

術前の左眼の遠方裸眼視力は左0.08、近方裸眼視力は0.1。

治療方針

画家という職業柄、見え方のご要望が多く、また遠方と近方を交互に見ることが多いとのことで3焦点型多焦点レンズをご希望されました。そこで遠見、中間、近見が見やすいクラレオンパンオプティクスをご提案し、このレンズに決定しました。

今回、患者様が手術をご希望されたのが、利き目ではない左眼であったことからも、クラレオンパンオプティクスを入れて見え方を確認してみるという方針で同意を得ました。

使用した眼内レンズ

クラレオンパンオプティクス(3焦点型多焦点レンズ)

  • 選定療養対象の3焦点型多焦点レンズ
  • 近見焦点距離は約40cm
  • 2023年7月に販売開始されたクラレオンビビティと比較すると、焦点距離はやや近くになる

術後スリット

術前の眼の状態

患者様の感想と考察

術後の左眼遠見裸眼視力は1.2、近見裸眼視力は0.9と良好で、患者様ご自身も遠見、近見ともに見やすくなったとお話しされていました。左眼術後、早めに右眼の白内障手術もご希望されました。左眼の調子が良いとのことで、右眼も同じクラレオンパンオプティクスを選択されました。
右眼は乱視が-2.50ジオプターありましたので、乱視用のレンズを選択し、術後の右眼遠見裸眼視力1.2、近見裸眼視力0.9。両眼とも見え方にはまったく支障ないと仰っていただけました。

掲載に関するご案内

本ページに掲載している症例は、すべて患者様の同意を得たうえで紹介しております。個人情報の保護に十分配慮し、匿名化や画像加工を行ったうえで掲載しております。

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