翼状片
翼状片とは
しろめ(結膜)の病気にも様々なものがあります。よくみかけるのは、結膜が黒目(角膜)に入ってくる翼状片という病気です。紫外線などが原因といわれますが原因ははっきりと分かっていません。大きくなると乱視が起こって視力が低下したり、さらに大きくなると瞳(瞳孔)にかかって視力が低下することがあります。予防というのは特になく、大きくなれば手術が必要な場合もあります。
翼状片の治療
点眼などの治療はなく手術のみとなります。手術は、伸びてきた翼状片を切り取ります。ただ切り取っただけでは再発してくることがあるので、正常な結膜を別の場所から持ってきます。そうすることで再発する確率を減らすことが出来ます。
再発に関しては、若ければ若いほど、大きければ大きいほど再発しやすくなる傾向があり、再発した翼状片は手術前よりも大きくなることもあります。
切除するタイミングが難しく、小さいうちに取ってしまえば再発しにくいが再発するとやっかいです。では大きくなってから取るとなると再発しやすくなってしまいます。また、大きくなると翼状片を切っても、黒目(角膜)が白く濁ってしまうことがあります。
切るタイミングは患者さんによって様々ですので、よく相談して手術時期を決めています。望月眼科では、視力が低下したり、見かけ上お困りの場合に手術を行っております。
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手術前
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手術後
合併症について
- 術後再発することがあります。若ければ若いほど、大きければ大きいほど再発しやすい傾向があり、再発した翼状片は手術前よりも大きくなることもあります。30歳以下では約半数に再発するという報告もありますが、70才を過ぎていくと再発率は20%以下になります。
- 翼状片を取りすぎると、その近くにある眼を動かす筋肉の付近に癒着が起こり、外側を向くと眼の動きが制限されてものがだぶって見えることがあります。通常見る分には問題ないのですが、車を車庫に入れるときのように横をグッと向くような時にものがだぶって見えることがあります。
- 術後に充血が残ることがあります。特に再発した場合などは真っ赤になることがあります。6カ月ほど様子を見て治らない場合、強いご希望があれば再手術を検討する場合もあります。
手術スケジュール
- 手術は日帰りでおこなっており、通常は1カ月待ちくらいです。手術前には当院での術前精密検査の他、手術に際し体の病気が影響しないかどうかなど内科等の医師に問い合わせをする場合があります。
- 手術当日。手術自体は30分くらいです。手術後は眼帯をし、翌日に外します。
- 手術翌日、翌々日、1週間後(抜糸)、2週間後、その後は適宜診察となります。
- 手術翌日から1週間後までは入浴は控えていただきます。(首から下のシャワーは可)その後は通常の生活で構いません。眼を使ってもよいし、顔を洗ったり、スポーツも可能です。温泉は1カ月控えてください。
- 術後は数日間ゴロゴロと異物感が続くことがあります。
- 術後は充血が続きます。1カ月もすると充血もだんだん引いていきます。3カ月するとほとんど分からなくなります。
手術費用
- 1割負担:片眼5,500円程度
- 2割負担:片眼11,000円程度
- 3割負担:片眼16,500円程度
翼状片についてのよくある質問
見かけ上気になります。取れないのですか?
手術は適切な時期があります。若い方や翼状片が大きい場合は、再発率が高くなります。若い方で初期の翼状片は、様子を見ることをおすすめします。
手術は痛いですか?
麻酔をするので手術自体は痛くありませんが、黒目(角膜)をさわりますし、結膜を移殖するので何針も縫います。術後は糸による異物感が生じます。1週間後に抜糸しますが、それまではゴロゴロする感じがあります。ゴロゴロが強い場合は早めに抜糸を行います。
手術後はきれいになりますか?
手術によって見かけ上もきれいにするのが目的です。進行してしまった翼状片の場合、翼状片を切除しても、黒目(角膜)の濁りが取れない場合があります。また、再発した場合は、手術前よりも翼状片が大きくなったり、充血が強くなったりする場合があります。